建築設計事務所で13年間、理想の空間を追求し続けてきた36歳の独身男性。多くの家族の夢の住まいを設計しながら、自分自身は「運命の人」を追い求めて現実を見失っていた。若い夫婦の涙を見て気づいた、本当の幸せの形。芸術家気質の建築士が、3歳年上の保健師と出会い、理想と現実の間で本物の愛を築くまでの、心温まる物語です。
結婚相談所を選んだ理由
「ありがとうございます!本当に夢みたいです」
2023年5月、僕が設計した住宅の竣工式で、20代の若い夫婦が新居を見て涙を流していた。
僕、村木拓哉(たくや)、36歳。建築設計事務所で働いて13年になる。その日、夫婦が手を取り合って喜ぶ姿を見て、胸が熱くなった。と同時に、言いようのない空虚感が押し寄せてきた。
仕事が終わり、一人暮らしのデザイナーズマンションに帰る。自分で設計に関わった部屋だ。機能的で美しい。でも、誰もいない。
壁に飾った写真作品を眺める。美術館で撮った建築写真、街角の風景。どれも「完璧な構図」を求めて撮ったものばかり。でも、そこに「人」はいない。
これまでの恋愛を振り返ると、いつも同じパターンだった。「この人こそ運命の人かも」と思い込み、相手に完璧を求め、現実とのギャップに勝手に失望して終わる。
30歳の時は「芸術への理解が足りない」、33歳の時は「感性が合わない」。いつも理想ばかり追いかけて、目の前の人を見ていなかった。
俺は一体、何を設計したいんだ?
建築なら図面から始まる。でも、人生の設計図は描けていない。もう36歳。このままじゃ、美しいけど誰も住まない建築物みたいな人生になってしまう。
そう思って、結婚相談所を検索した。理想だけじゃなく、現実と向き合う時が来た。
マリッジオーシャンを選んだ理由
いくつかの相談所を訪れた中で、マリッジオーシャンの伊藤さんの言葉が心に残った。

村木さん、素敵な感性をお持ちですね。でも、恋愛は芸術作品じゃありません
最初、その言葉にムッとした。でも、伊藤さんは続けた。

建築も同じじゃないですか?理想の設計図があっても、住む人の生活を考えなければ、良い建築にはならない。恋愛も、相手という『住人』を理解することから始まります
建築に例えられて、すっと腑に落ちた。他の相談所では「芸術家タイプの女性を紹介します」と表面的な提案ばかりだったが、伊藤さんは本質を突いていた。
「理想を捨てる必要はありません。でも、現実の中にも美しさはあるんですよ」
この人となら、新しい自分を設計できるかもしれない。
彼女とのお見合いでの印象
入会から3ヶ月後、思いがけない出会いがあった。
相手は39歳の保健師、川田美咲さん。プロフィールの「地域の健康づくりに貢献したい」という言葉と、趣味の「街歩き」に惹かれた。
お見合い当日、いつもの癖で「完璧な第一印象」を演出しようとした。美術館のような洗練されたカフェを選び、芸術的な会話を準備した。
でも、現れた美咲さんは、想像とは違っていた。シンプルな服装で、飾らない笑顔。
「初めまして、川田です。素敵なお店ですね。でも、ちょっと緊張しちゃう」
その率直な言葉に、逆に僕の方が緊張がほぐれた。
話してみると、意外な共通点があった。
「実は、地域の健康づくりって、街づくりと似てるんです」と美咲さん。
「建築も同じです!建物は街の一部で、住む人の生活に影響を与えます」
気づけば、お互いの仕事への想いを熱く語り合っていた。美咲さんは、僕が建築に込める想いを真剣に聞いてくれた。
村木さんの建築への情熱、素晴らしいですね。きっと、住む人のことを本当に考えているんだろうな
なぜ、仮交際に入ろうと思ったのか?
お見合いの帰り際、美咲さんが言った。
村木さんって、理想が高くて素敵だけど、少し肩に力が入りすぎかも。でも、そういう一生懸命さ、嫌いじゃないです
正直で率直な感想だった。でも、否定ではなく受け入れてくれている感じがした。
その夜、撮りためた写真を見返していて気づいた。最近撮った、若い夫婦の竣工式の写真。そこには「人」がいた。完璧じゃないけど、幸せそうな笑顔があった。
美咲さんといる時も、同じような温かさを感じた。
「仮交際をお願いします」伊藤さんに連絡した。今度は「運命」じゃなく、「可能性」を感じたから。
仮交際中はどんな風に愛を育んだのか?
最初のデートは、美咲さんの提案で街歩きだった。
「私の仕事場のある地域を案内します」
商店街、公園、古い建物。特別な場所じゃないけど、美咲さんの説明を聞くと違って見えた。
「この商店街のおじいちゃん、毎朝ラジオ体操してるんです」「この公園は、子育てママの憩いの場」
人々の生活が見えてきた。建築だけじゃなく、そこに住む人の物語があることに気づいた。
2ヶ月目、僕が設計した建物を案内した。
「すごい!でも…」美咲さんが言いかけて止まった。
「どうしたの?」
「いえ、素敵なんだけど、子供が遊びにくそうかなって」
普段なら「デザインを理解してない」と思ったかもしれない。でも、その時は「確かにそうだ」と素直に思えた。
3ヶ月目、大きな転機があった。僕が感情的になってしまった時のことだ。
コンペで落選し、イライラしていた僕は、デートで美咲さんに八つ当たりしてしまった。「どうせ芸術なんて理解されない」
美咲さんは黙っていたが、最後に静かに言った。
拓哉さん、芸術は素晴らしい。でも、人の心も同じくらい大切だと思う
その夜、猛省した。翌日、素直に謝ると、美咲さんは「感情的になるのも、情熱があるからだよね」と許してくれた。
なぜ、真剣交際を承諾したのか?
決定的だったのは、美咲さんの仕事現場を見た時だった。
地域の健康相談会で、美咲さんは一人一人と丁寧に向き合っていた。お年寄りの話を根気よく聞き、子供には優しく接する。
「川田さんがいるから安心」と言う住民の声を聞いて、思った。これが本当の「生活を支える仕事」だ。
帰り道、美咲さんが言った。
拓哉さんの建築も、私の保健活動も、目指すところは同じかも。人が幸せに暮らせる環境を作ること
その言葉で、すべてがつながった。
「美咲さん、真剣交際をお願いします。君といると、建築だけじゃなく、人生の本当の設計図が見えてくる」
美咲さんは嬉しそうに「はい」と答えてくれた。
プロポーズされたときの気持ち
真剣交際から2ヶ月後、美咲さんから「大切な話がある」と連絡があった。
待ち合わせ場所は、初めて一緒に街歩きをした公園。夕暮れ時で、家族連れが楽しそうに遊んでいた。
美咲さんは、少し緊張した様子で切り出した。
拓哉さん、実は私から言いたいことがあるの
そして、小さなスケッチブックを取り出した。開くと、そこには手描きの「家」の絵があった。下手だけど、温かい絵だった。
「私、絵は下手だけど…拓哉さんと一緒に、こんな家族を作りたい」
絵の中には、二人と子供、そして「幸せ」という文字があった。
美咲さんは続けた。
拓哉さんは理想が高くて、感情的で、時々子供みたい。でも、その全部が拓哉さん。完璧じゃない私たちだけど、一緒に幸せを設計していきませんか?結婚してください
36年間、ずっと「完璧」を求めてきた。でも、この瞬間、不完全な手描きの絵が、どんな設計図より美しく見えた。
「はい、もちろんです!美咲さんと一緒に、理想と現実の間で、本当の幸せを築いていきたい」
涙が止まらなかった。美咲さんも泣きながら笑っていた。
その日、二人で公園のベンチに座り、これからの「家族の設計図」を語り合った。それは、今まで描いたどんな図面より、ワクワクするものだった。
仲人より一言

木村さんの婚活は、芸術家特有の理想と現実のギャップに悩まれることが多く、サポートする私も学ぶことが多かったです。でも、美咲さんという素晴らしい女性と出会い、「完璧」ではなく「幸せ」を求めるようになった変化は、本当に感動的でした。

美咲さんは、木村さんの芸術性を理解しながら、地に足のついた愛情で包んでくださいました。建築士と保健師、一見違う仕事ですが、「人の幸せな生活を支える」という点で深く繋がっています。これからは二人で、理想と現実を調和させた、世界に一つだけの幸せな家庭を築いてください。本当におめでとうございます! (マリッジオーシャン カウンセラー 伊藤)




