地方銀行で16年間、数字と向き合い続けてきた39歳の独身男性。高い理想とプライドが邪魔をして、恋愛ではいつも空回り。後輩に追い抜かれ、仕事でも私生活でも行き詰まりを感じていた彼が、取引先社長の一言で人生を見つめ直す。素直になれない自分と向き合い、同い年の薬剤師と出会うことで、本当の意味での「価値」と「幸せ」を見つけるまでの成長物語です。
結婚相談所を選んだ理由
家族がいると、仕事への責任感も変わるよ
2023年4月、融資先の老舗企業の社長から言われた言葉が、胸に突き刺さった。僕、佐々木優一、39歳。地方銀行の融資課で働いて16年。その日は、社長の息子さんが経営に参画することになった祝いの席だった。幸せそうに息子を見つめる社長の姿が、なぜか眩しく見えた。最近、昇進試験に3年連続で落ちた。5歳下の後輩が課長代理になったと聞いた時は、正直、悔しかった

俺の方が知識も経験もあるのに
家に帰って、ワインを開けながらクラシックを聴く。シューベルトの「冬の旅」が、妙に心に沁みた。39歳、独身、彼女なし。高級ワインのコレクションは増えても、一緒に飲む相手がいない。実は、これまでの恋愛は全て失敗に終わった。32歳の時の彼女には
優一さんって、いつも上から目線
と言われ、35歳の時は
自分の趣味を押し付けないで
とフラれた。でも、本当は寂しかった。誰かと喜びを分かち合いたかった。ただ、プライドが邪魔をして、素直になれなかった。

このままじゃ、人生の本当の価値を見失う
そう思って、結婚相談所を調べ始めた。もう自分一人では変われない。プロの助けが必要だと、初めて認めた。
マリッジオーシャンを選んだ理由
何社か相談に行った中で、マリッジオーシャンの伊藤さんの対応が一番印象に残った。

佐々木さん、失礼ですが、かなり理想が高いですね
最初の面談で、ズバリと指摘された。正直、カチンときた。でも、伊藤さんは続けた。

でも、高い理想を持つことは悪くありません。問題は、その理想を相手にも求めてしまうことです。まずは、ご自身が変わる勇気を持ちませんか?
他の相談所では「銀行員なら引く手あまた」とお世辞ばかりだったが、伊藤さんは違った。僕の問題点を率直に指摘しながらも、改善の道筋を示してくれた。

プライドを捨てる必要はありません。でも、時には素直になることも大切です
この人になら、自分の弱さも見せられるかもしれない。そう思った。
彼女とのお見合いでの印象
入会から4ヶ月後、運命の出会いが訪れた。相手は同い年39歳の薬剤師、高橋真理子さん。プロフィールの「医療を通じて人々の健康に貢献したい」という言葉と、趣味欄の「美術館巡り」に興味を持った。お見合い当日。いつもの癖で、高級スーツを着込み、最高級のカフェを予約した。「印象付けなければ」というプライドが働いた。でも、現れた真理子さんは、シンプルで清楚な装いだった。
初めまして、高橋です。素敵なお店ですね
丁寧だけど、どこか距離を感じる口調だった。最初の30分は、お互いの仕事の話。僕は融資の専門知識を語り、真理子さんは薬学の話をした。でも、なんだか面接みたいで堅苦しい。転機は、真理子さんが言った一言だった。
佐々木さん、クラシックがお好きなんですね。最近、どんな曲を聴かれましたか?

ブラームスの交響曲第4番です。特に第4楽章のパッサカリアは…
つい熱く語ってしまった。すると、真理子さんが微笑んだ。
詳しいですね。私、音楽は詳しくないけど、そんなに情熱的に語れるものがあるって素敵だと思います
初めて、自分の「オタク」な部分を否定されなかった。
なぜ、仮交際に入ろうと思ったのか?
お見合いの最後、真理子さんが言った。
佐々木さんは、とても勉強家で情熱的な方ですね。でも、少し肩に力が入りすぎかも
図星だった。でも、なぜか不快ではなかった。
また、お会いできたら嬉しいです。今度は、もっとリラックスして
帰り道、伊藤さんからの「どうでしたか?」というメッセージに、素直に「仮交際をお願いします」と返信した。真理子さんとなら、自然体の自分を見つけられるかもしれない。
仮交際中はどんな風に愛を育んだのか?
仮交際が始まって、最初のデートは美術館だった。

実は、美術はあまり詳しくなくて
と正直に言うと、真理子さんは
私もです。でも、感じるままに見ればいいんですよ
と笑った。印象派の絵の前で、真理子さんが言った。
この絵、なんだか薬局の棚みたい
普段の僕なら

芸術をそんな風に…
と言っていたかもしれない。でも、その時は一緒に笑った。2ヶ月目、僕の趣味であるワインバーに誘った。

このワインは、ボルドーの…
また講釈を始めそうになった時、真理子さんが優しく遮った。
優一さん、美味しければそれでいいじゃない
その一言で、肩の力が抜けた。そうだ、知識を披露することが大切なんじゃない。一緒に楽しむことが大切なんだ。
3ヶ月目、大きな転機が訪れた。僕がまた昇進試験に落ちた時だった。デートをキャンセルしようとしたが、真理子さんは
会いたい
と言ってくれた。公園のベンチで、つい愚痴をこぼしてしまった。

俺の方が優秀なのに、評価が不公平だ
真理子さんは黙って聞いていたが、最後にポツリと言った。
優一さん、人の価値って、肩書きじゃないと思う。私、薬剤師として思うんです。どんなに知識があっても、患者さんに寄り添えなければ意味がない
その言葉で、目が覚めた。僕は今まで、何を大切にしてきたんだろう。
なぜ、真剣交際を承諾したのか?
決定的だったのは、真理子さんの職場を訪ねた時だった。薬局で働く真理子さんは、患者さん一人一人に丁寧に対応していた。専門知識を持ちながらも、決して上から目線ではなく、相手の立場に立って話している。
高橋先生は本当に親切で
と、高齢の患者さんが僕に話しかけてきた。その姿を見て、思った。これが本当のプロフェッショナルだ。知識を振りかざすのではなく、相手のために使う。その夜、真理子さんに言った。

真理子さん、真剣交際をお願いします。君といると、本当の自分が見えてくる。もっと素直に、もっと謙虚になりたい
真理子さんは、少し驚いた顔をした後、
私も、優一さんの素直な部分が見られて嬉しい
と答えてくれた。
プロポーズされたときの気持ち
真剣交際から3ヶ月後の冬、真理子さんから
話がある
と呼び出された。
場所は、初めて一緒に行った美術館のカフェ。不安な気持ちで向かった。まさか、振られる?でも、真理子さんの手には、小さな包みがあった。
優一さん、私から言わせてください
そして、包みを開けると、シンプルな銀のペアリングが入っていた。
優一さんは、時々プライドが高くて、理屈っぽくて、でも本当は優しくて寂しがりや。私、そんな優一さんの全部が好きです
涙が込み上げてきた。真理子さんは続けた。
お互い39歳。もう若くないけど、だからこそ、残りの人生を一緒に歩きたい。専門分野は違うけど、お互いを尊重し合って、支え合って。優一さん、結婚してください
39年間で初めて、プライドを完全に捨てて、声を上げて泣いた。

はい、こちらこそ、お願いします。真理子さんのおかげで、僕は変われた。本当の価値を教えてくれて、ありがとう
真理子さんも泣いていた。
やっと素直になってくれた
その日、二人で選んだ絵画のポストカードに、結婚の日付を書き込んだ。それは、どんな高級ワインより、価値のある記念品になった。
仲人より一言
佐々木さんとの婚活は、正直、最初は苦労しました。プライドの高さが壁となり、なかなか素直になれない姿を見て、何度もアドバイスさせていただきました。でも、真理子さんという素晴らしい女性と出会い、少しずつ変わっていく姿は感動的でした。真理子さんは、佐々木さんの本質を見抜き、良い部分を引き出してくださいました。お二人とも専門職として高い知識をお持ちですが、それ以上に、お互いを思いやる心を大切にされています。これからは、知識と愛情の両方を持って、素晴らしい家庭を築いてください。本当におめでとうございます!
(マリッジオーシャン カウンセラー 伊藤)





