結婚相談所を選んだ理由
2023年3月、僕は病院のベッドで天井を見上げていた。過労で倒れて、強制入院3日目。35歳、独身、彼女なし。高橋翔太、それが僕だ。
高橋さん、今日の調子はどうですか?
担当の看護師さんが優しく声をかけてくれた。疲れた心に、その声がじんわり染みた。

あの、退院したら、お礼に食事でも…
勇気を出して誘ってみた。でも、次の瞬間、僕は最悪な続きを言ってしまった。

19時に○○駅集合で、移動時間を考慮すると20時には食事開始できます。23時には解散できるので、翌日の勤務にも影響ないかと
看護師さんは困ったような笑顔で
ごめんなさい、規則で患者さんとは…
と断られた。当然だ。誰がこんなビジネスミーティングみたいなデートの誘いに乗るだろう。退院後、自宅でコードを書きながら考えた。なぜ僕は、プログラミング言語は10個も使えるのに、恋愛という「言語」だけは習得できないんだろう?そうだ、独学では限界がある。プログラミングスクールがあるように、恋愛にも「スクール」があるはずだ。そう思って検索したのが、結婚相談所だった。
マリッジオーシャンを選んだ理由
5社ほど無料相談を受けた中で、マリッジオーシャンの担当、岡田さんの言葉が印象的だった。

高橋さん、恋愛をプログラミングに例えるなら、今のあなたは構文は完璧なのに、ユーザビリティを考えていないアプリを作っているようなものです
エンジニアの僕にもわかりやすい例えだった。岡田さん自身も元SEだったらしく、僕の思考パターンをよく理解してくれた。

効率を求めるのは悪くない。でも恋愛では、時に非効率な回り道が、一番の近道になることもあるんです
他の相談所では「もっと感情的になって」「ロマンチックに」と抽象的なアドバイスばかりだったが、岡田さんは具体的で論理的。この人となら、僕でも「恋愛」を学べるかもしれない。
彼女とのお見合いでの印象
入会から5ヶ月後、運命の出会いが訪れた。相手は36歳の看護師、小林香織さん。プロフィールの「患者さんの心に寄り添うことを大切に」という言葉と、趣味欄の「ゲーム(RPG)」の文字に目が止まった。お見合い当日。いつもの癖で、15分前到着、席の位置、話題リスト、全て準備万端。でも、準備していなかったことが起きた。
すみません、遅れちゃって!急患が入って…」
5分遅れで現れた香織さんは、少し息を切らしていた。普段の僕なら、時間管理の重要性を説いていたかもしれない。でも、岡田さんの「相手の状況を想像することが大切」という言葉を思い出した。
大変でしたね。看護師さんは本当にハードワークで…
理解してくださって嬉しい!IT業界も大変ですよね?
意外にも、会話が弾んだ。特に、お互いの「職業病」の話で盛り上がった。
私、プライベートでも人の顔色ばかり見ちゃって

僕は全ての会話を、問題解決として捉えてしまうんです
気づけば、2時間も話していた。
なぜ、仮交際に入ろうと思ったのか?
お見合いの最後に、香織さんが言った一言が心に残った。
高橋さんって、すごく真面目で一生懸命な方ですね。きっと仕事でも信頼されているんだろうな
久しぶりに、「効率的」とか「論理的」じゃない部分を褒められた気がした。帰り道、いつものように「お見合い評価シート」をExcelで作ろうとして、手を止めた。数値化できない「何か」を感じていた。それは、コードでは表現できない、温かい気持ちだった。「仮交際、お願いします」岡田さんへの返信は、シンプルだった。
仮交際中はどんな風に愛を育んだのか?
仮交際が始まって最初のデート。僕は例によって「効率的デートプラン ver2.0」を作成していた。しかし、当日、香織さんの一言で全てが変わった。

今日はどこか行きたいところある?

え?プランは…

たまには行き当たりばったりも楽しいよ
結局、ぶらぶら歩いて見つけた小さなカフェで3時間も話した。効率は最悪だったが、楽しさは最高だった。2ヶ月目、僕の悪い癖が出た。香織さんが仕事の愚痴を言った時、つい

それなら、シフト管理システムを導入すれば…
と解決策を提示してしまった。香織さんは黙ってしまい、気まずい空気が流れた。後日、岡田さんに相談すると

女性は解決策より共感を求めることが多い
とアドバイスされた。次のデートで素直に謝った。

ごめん、つい仕事モードになってしまって。香織さんの大変さ、もっと聞かせてください
すると香織さんは笑顔で
翔太さんの、問題を解決したいって気持ちも優しさだと思う。でも、時々は『大変だったね』って言ってくれるだけでいいの
と教えてくれた。3ヶ月目には、一緒にRPGゲームをするようになった。「このダンジョン、効率的に攻略するなら…」と言いかけて、

いや、香織さんのペースで楽しもう
と言い直す僕を、香織さんは優しく見守ってくれた。
なぜ、真剣交際を承諾したのか?
決定的だったのは、僕が仕事で大きなミスをした時だった。
システムの重大なバグを見逃し、大問題になった。自信喪失し、デートもキャンセルしようとしたが、香織さんは
会いたい
と言ってくれた。会った瞬間、香織さんは何も言わずに手を握ってくれた。
完璧じゃなくていいんだよ。私も昨日、点滴失敗しちゃった
その一言で、肩の力が抜けた。今まで、完璧であることが自分の価値だと思っていた。でも、香織さんは不完全な僕も受け入れてくれる。

香織さん、真剣交際をお願いします。僕、まだ不器用だけど、香織さんともっと深く繋がりたい
はい、よろしくお願いします
香織さんの笑顔は、どんなプログラムよりも美しかった。
プロポーズされたときの気持ち
真剣交際から3ヶ月後のクリスマス。
今日は特別な場所に行きたい
と香織さんに言われ、連れて行かれたのは、夜景の見えるレストランだった。食事を終えた後、香織さんが立ち上がった。
翔太さん、私から言わせてください
膝をつく香織さんの手には、小さな箱。
翔太さん、あなたは時々不器用で、効率ばかり考えて、でも誰よりも真剣で優しい人。私の感情を数式で解こうとするところも、一生懸命に共感しようとしてくれるところも、全部愛おしいです
涙が溢れそうになった。香織さんは続けた。
私たち、お互い不完全だけど、だからこそ支え合える。一緒にバグを修正しながら、人生というプログラムを作っていきませんか?結婚してください
もう涙を止められなかった。35年間、ロジックと効率で生きてきた僕が、初めて心の底から感情を爆発させた。

はい、もちろんです!僕の人生に、香織さんという最高の機能を実装させてください!
変な例えだったけど、香織さんは笑いながら泣いていた。その夜、二人で作った「結婚までのロードマップ」は、今まで作ったどんなシステム設計書よりも、大切な設計書になった。
仲人より一言
高橋さんとの出会いは、私にとっても学びの多い経験でした。元SEの私でも、ここまで恋愛を「システム」として捉える方は初めてでした(笑)。でも、その真面目さと一生懸命さが、香織さんの心を掴んだのだと思います。
お二人の素晴らしいところは、お互いの「職業病」を理解し、受け入れ合えることです。効率を求めるエンジニアと、感情に寄り添う看護師。一見正反対のようで、実は最高の組み合わせです。これからは二人で、愛情という最高のシステムを構築してください。末永くお幸せに!
(マリッジオーシャン カウンセラー 岡田)





